石川五右衛門 [歌舞伎・ドラマ・俳優]

生没年不詳。
安土桃山時代の大盗賊。

その伝記は明確でないが、一説に遠州浜松の生まれで、初め真田八郎といい、1594年37歳のとき捕らえられ、京都・三条河原で一子とともに釜茹の刑に処せられたという。

盗賊ながら、この空前絶後の極刑に、太閤豊臣秀吉の命をねらったという巷説が付加されて有名となり、浄瑠璃、歌舞伎脚本に数多く脚色され、一大系統になった。

劇化の最初といわれるのは貞享ごろ松本治太夫の語った『石川五右衛門』で、浄瑠璃では近松門左衛門作『傾城吉岡染』、並木宗輔作『釜淵双級巴』、並木正三作『石川五右衛門一代噺』、若竹笛躬ら作『木下蔭狭間合戦』、歌舞伎では並木五瓶作『金門五山桐』をはじめ、『艶競石川染』『けいせい稚児淵』などがおもな作品である。

有名なのは「山門の五右衛門」で知られる『五山桐』で、これを女に書き替えたものに『けいせい浜真砂』がある。

また『双級巴』と『狭間合戦』をつき混ぜ『増補双級巴』の外題で上演されることがある。

明治以後も小説や戯曲に多く扱われている。
update:2010年02月24日